先天性風疹症候群は、ウイルスに対して免疫の無い妊婦さんが風疹にかかると胎児に感染してしまう先天性の病気です。
生まれた赤ちゃんが障害を引き起こすことがあるので、それを防ぐために現在は積極的に予防接種が勧められています。
出来るだけリスクを小さく、健康で元気な赤ちゃんを無事に産むためにも対策を取っておく必要があります。
そこで、今回は
・先天性風疹症候群の三大症状
・発症の確率
・予防接種の効果や目安
などについてご紹介します。
先天性風疹症候群の三大症状
先天性風疹症候群は、通称CRSとも呼ばれ妊婦になったばかりの頃は特に気をつけるべき病気。
なぜなら、CRSは発症しても治療法がなくそれぞれの症状に合わせて対処していく対症療法しかないからです。
なので、出来るだけ予防に努めて発症を防ぐということが大事。
春頃から初夏に流行することが多く、例年よりも圧倒的に感染者が多い流行年にあたってしまうと必然的にCRSの発症率も高くなってしまいます。
だからこそ、予防に気をつけないといけないんですが厄介なのが感染力が強いということ。
インフルエンザの数倍の感染力
風疹は、ウイルス性の感染症でその感染力はインフルエンザの数倍とも言われています。
インフルエンザも感染力が強いイメージがあるのですが、インフルエンザは一人の感染者から他の人にウイルスが感染してもせいぜい一人か二人程度感染するだけです。
しかし、風疹の場合は一人感染者が居るとその周囲五人から六人くらいに感染することがあります。
もちろん、その場に居合わせたすべての人に感染するわけではないですがそれほど感染力が強いということ。
もし仮にその場に数人の感染者が居れば、あっという間に十数人に感染する可能性があるということなんです。
主な症状
・発熱
・発疹
・リンパ節の腫れ
などが主な症状ですが、軽い場合にはその症状に気付きにくく母親自身感染の自覚が無い場合もあります。
でも、母親の体には大した症状が出なくても胎児には大きな影響が出る可能性が高くなるので気をつける必要があるんですね。
CRSの主な症状としては三大症状と言われる
・心臓の病気
・白内障
・難聴
があり、心臓の病気と白内障は赤ちゃんが出来てから3ヶ月未満に起こることが多いと言われています。
難聴は6ヶ月くらいまでは起こる可能性があり、その他には
・糖尿病
・発育不全
・網膜症
・髄膜炎
などの症状もあるようです。
三大症状は必ず三つの症状が出るわけではなく、一つだけ出ることもあれば二つ出ることもあったりと赤ちゃんによっても違います。
感染経路は風邪やインフルエンザと一緒
風疹の感染経路は、飛沫感染や接触感染になるので感染者の咳やくしゃみを吸い込んだり感染者に触れることで感染します。
2週間から3週間ほどの潜伏期間を経て症状が出て…数日から一週間くらいして徐々に治まっていくという感じです。
風邪やインフルエンザみたいに感染するなら、手洗いうがいとマスクをしていれば大丈夫でしょと思いがちですが感染力が強いのでそれだけでは予防は不十分なんです。
完全な予防には、自分や家族が予防接種を受けるしかないんですね。
事前に抗体検査をしておくべき
子供の頃にワクチンを受けたり、発症して一度は免疫が付いたことがあるケースがほとんどですが昔のことなんてそんなに覚えていないもの。
また、自分や親が仮に覚えていたとしても不確かなものだったりします。
そのため、出来れば赤ちゃんが欲しいなと考えている段階でいつ出来ても良いように病院で事前に抗体検査をしておいて必要であればワクチンを受けておくのが一番良いのです。
抗体検査と言っても面倒な検査ではなく、病院で一般的に良く行われるような血液検査をするだけなので面倒な検査があるわけではありませんよ。
抗体検査はこちらから保健所を探せます。
(厚生労働省の風疹の感染予防の普及・啓発事業ページ:http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/vaccination/search.html)
流れとしては、
①保健所で採血(検査自体は数分程度)
②2週間前後くらいで結果が出るので確認(来院か郵送)
③必要があればワクチンを受ける
という感じです。
※保健所によって変わることもあります。
次のページでは、発症の確率はどのくらいかについてご紹介します。
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